夕焼け



「死ぬつもりか?」

夕暮れの十二月、学校の屋上で立ち尽くしていると、後ろから声をかけられた。
振り向くと、いつも学校に来る時に見かけるだけの、同じクラスの奴が立っていた。
黙っていると、そいつはもう一度訊いてきた。

「死ぬつもりか?」

「そうだったらどうするんだ?」

相手の反応が見たくて、わざとそんなことを訊いてみた。
相手が息を呑む気配が伝わってくる。手が、握りこぶしをつくるのが目に入った。

「見てるよ」

一瞬、相手の言うことが理解できない。

「君が死ぬところを、見てるよ」

彼は続ける。震えた声で、唇で、それでも彼は言葉を紡ぐ。

「そうして君が死んだら、泣くよ」

彼の一言一言に大気が反応して白くなる。
彼が震えているのは寒さのせいか、それとも。

「泣いてやるよ」

彼の視線に貫かれる。俄かに、茜色の空から真白の雪が降り始めた。



その日、俺は家に帰ろうって、思ったんだ。









高槻彩さんから頂きました。
どうも有り難う御座いました!


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